新聞の基礎知識

Q.衆院選など選挙でテレビの開票速報には、新聞社も強力しているって聞いたけど (・_・?)

A.そうだよ。民放が速報する「当確」とか「当選確実」といった情報は、ほとんど系列の全国紙の情報がもとになっている。


Q.いつも不思議に思うんだけど、開票率が5%ぐらいでも「当確」とか出るわよね。どうしてそんなに早く分かるのかしら (・_・?)

A.当確かどうかは基本的にその選挙区の担当記者が判定するんだけど、もちろん推測で決めるわけではない。例えば衆院選なら、ある候補者がその選挙区の過去の選挙でどれだけの票を集めてきたか、業界団体や労組、宗教団体といった支持母体がどれだけの基礎票を持っているかといったデータを、市町村単位で積み上げていく。それに、各候補者の選挙参謀の手応えなども取材して、担当記者は自分なりの予測を立てる。世論調査も重要な判断材料だ。


Q.なんだか難しいわ (・_・?)

A.開票が始まると、各開票所に派遣した記者たちから、情報がどんどん編集局や支局に寄せられる。たとえ5%しか開票されていなくとも、担当記者が予測した通りの得票分布になっていたら、「当確」を打つことができる。最近は、投票当日の出口調査の結果を参考にすることも多い。


Q.どうしてそんなに急いで「当確」を決める必要があるの (・_・?)

A.翌日の朝刊にきちんとした選挙の結果やきめこまかい関連記事を掲載するためだ。選挙管理委員会による選挙結果の公式発表を待っていては朝刊の締め切りには間に合わず、投票翌日の紙面が貧弱なものになってしまう。橋本内閣当時の98年選挙では、かなり早い段階で自民党が敗北するとの見通しが立てられたからこそ、朝刊の見出しで「自民惨敗、首相退陣へ」という首相の進退にまで踏み込んだ記事が書けたんだ。


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